JOKER
あたしはグッと、下唇を噛み閉める。


お願いだから、これ以上、、、


これ以上、心羽もあの子も、、、


あたしの心の中から出て行ってくれないかな?


自分自身では、どうすることも出来ない、、、想い。


「どうして、、、あたしなの?」


気付くと、そんな言葉を心羽に尋ねていた。


心羽は、あたしの目を見る。


その瞳は、真っ直ぐで、、、


凄く、自分が真っ黒な気がした。


それは、あたしの心が歪んでいるからなのだろうか?


「お姉ちゃんは、嘘、、、付かないでしょ?みんなみたいに、心羽に嘘ばっかり、、、並べないでしょ?」


、、、嘘?


付かない?並べない?


心羽は周りの人間に、どんな嘘を塗り重ねられたのだろう。

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