私の彼氏はおデブさん
黒板の上に掛けられた時計の秒針が、ち、ち、ちと規則良く動く音だけがする。





相沢さんのおねえさんって……その事、相沢さんも知ってるの……?






「去年この高校卒業して今大学生なんだけど、俺高1のころに一回ふられててさ。どうしても忘れられない時に優希から告られて。優希と付き合ったら、真弥(まや)俺の事意識してくれるかなと思ったけど、無理っぽい。彼氏いるし」






ははは、と平気そうに笑うと、玉川君は続けて言った。







「でもだんだんと真弥に似てる優希と付き合ってるのがきつくなってきて、優希に触るのも嫌んなってきて。そしたら優希もそんな俺に気づいたみたいで、もう無理かなって。だから今日別れた。理由は真弥のせいだって言ってないけど」



「……何て言って別れたの?」



「ん?何って……」






玉川君はじっと真顔で私を見る。





(え?何?……なんか嫌な予感がする)
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