私の彼氏はおデブさん




「……で。金曜日何で急に帰ったの?部屋のインターフォン押しても出て来ないし。橘が優希にバラすって言うなら、絶対阻止させて貰うから。……どんな手を使ってでもね?」





(うう……やっぱり迫力負けしそうだ)





だん!と下駄箱に右手をついて私を追いやる玉川君を見て、私からは金曜日に奮い立った決意なんて即薄れてしまう。






下駄箱に背中をつけて立ち尽くしたままごくっと唾を飲むと、玉川君がにやりと笑った気がした。






その理由はすぐに分かった。







「おはよう、藤崎」







隣の下駄箱の方を見て玉川君が明るく話すと、自然とそっちへ視線が移動してしまう。




心臓が凍りつきそう。



何でこのタイミングで藤崎君が来るんだろう。
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