私の彼氏はおデブさん
受け取ると、私は中を覗いて確認する。








「わざわざ持ってきてくれてありがとう……」






(って……ん?)






「これ、私が貸したのじゃないみたいだけど。……というか、貸してた奴って結構前に返して貰ったような……」


「あがって良い?」


「え?」






有無を言わさず靴を脱ぐと、藤崎君は部屋の中へ入っていく。





付き合ってた頃、何回も来た事あるから別に良いけど……。






「あ、あの……」






何で部屋に入るのか意味が分からず恐る恐る声を掛けると、二人共リビングに入ったところで藤崎君がこっちを振り向いた。



真顔で。






「泣いてんの?」
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