私の彼氏はおデブさん
さっきの女の子……。



誰だったんだろう。




聞いてみようかな。




でもそんな事聞いたら、うざいかな。私今は、ただの元カノだし。







「橘……大丈夫?」


「うん。ありがとう」


「相沢とケンカした?クラスの女子が言ってたから。今日二人が玉川の事で、屋上でケンカしたって」






じっと藤崎君の顔を見ていると、藤崎君が人差し指で目の端にたまった涙を拭きとってくれる。





(だから来てくれたんだ。優しい……)






黙ったままそれに応じていると、更に続けて藤崎君は話す。







「玉川と付き合うのやめといたら?俺あいつ好きじゃないっていうか、相沢の元カレだろ?」






波だはだんだんとひいていく。





(違うのに。付き合ってないのに。……もう勘違いされるのはいやだ)







「違うよ。付き合ってないよ。全部玉川君の嘘……」





勇気を出して言うと、藤崎君は一瞬驚いたような顔をした後、眉間にシワを寄せた。
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