私の彼氏はおデブさん
その後コソッと体育館を抜け出して、玉川君に連れていかれたのは3-Aの教室。





誰もいなくて静かだし、窓からは晴れた空が見える。





窓際に立った玉川君は外の方に背を向けているから空の綺麗さなんて気づいてないみたいだけど、私は玉川君と目を合わせるのが何となく恥ずかしくて空ばかり見ていた。






「橘。今までの事、本当にごめん。今朝も、俺のせいで大騒ぎになってごめん。それから……」






この人は誰だろう。





今までの余裕ぶっていて、悪ぶっていて、人の事を無駄にドキドキさせる玉川君の面影が感じられないぐらい、玉川君から緊張を感じる。






ほっぺたも赤いし、額に汗かいてるし、私と目を合わせてもすぐそらすし。







「それから……俺、本当は橘の事大好きです。俺と付き合ってください」


「え……玉川君、どうしたの……?」






告白されても信じられずに、私は聞き返した。
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