私の彼氏はおデブさん
藤崎君の左腕に縋り付いた相沢さんを見ると、視線を自分の左手に持っていく。







(あれ……?縋り付いたの相沢さんになっちゃったんだけど、どうしよう……この握ろうとして浮いた私の左手……)






隣では、怯える相沢さんの腕をはなそうと藤崎君が必死に抵抗している。







「いやぁぁぁ!!!怖いぃぃぃ!!!いやぁぁぁ!!!」


「相沢、落ち着けって……!」


「映画のくせに私をビビらせてんじゃねーぞ、オラぁぁぁぁ!!!」


「静かにしろって!周りに迷惑だろ!」


「青ちゃぁぁぁぁん……!!!」


「俺は玉川じゃない!!手をはなせ!!」






(何でこんな事に……)






まだ呆然としたまま左手を下ろせずにいると、清武君から話し掛けられた。





「作戦考えたの優希なんだけどなぁ。ここまでホラーが苦手なんてね」



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