私の彼氏はおデブさん
すると、また横で清武君が話し掛けてくる。





「橘さん」


「何?」


「元気出してよ。ジュースでも飲んだら?」


「え……でもこれ清武君の……」






差し出されたジュースを受け取ろうとしながら、私はニコッと微笑む清武君を遠慮がちに見る。




(男の子って、こういうのあんまり気にしないのかな?私は結構気にするんだけど……)




でも喉も渇いたし、有難くいただこう。






「喉渇いたでしょ?」


「ありがとう。じゃあいただきます」







そのまま清武君にお礼を言うと、ストローに口を付けようとする。




でもその瞬間、横からジュースを奪われた。




「え」





呆気に取られる私を無視しつつ、藤崎君は自分が飲んでいる。




(ええええ……酷い……喉渇いてたのに!横取りするなんて!)





「藤崎君、返してよ!」


「ん。返す」





怒るとすぐ返して貰えたけど……





「もう入ってないじゃん…!!」





空になった紙のカップをふりながら、私は涙目になった。
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