私の彼氏はおデブさん

すると、走ってる途中に後ろから深瀬さんの叫ぶ声が聞こえてきたけど。




「嘘つき！！」


「はあぁぁ！？ だぁれが嘘つきだって！？ 涼花は何も嘘ついてないだろうがっ！！」





続けて相沢さんの怒る声もして、足を止めた。



振り返れば、二人の対立した光景が瞳に映る。






「だって！ 洸ちゃんに彼女が出来ても良いって言ったでしょ！？」


「だからって藤崎の事を好きじゃないとは言ってねーだろ！」


「言ったも同然じゃん！」


「大体なぁ、そういう事言わせる時点でアンタ、計算高くて姑息なんだわ！ 恋愛は仲良しこよしでするもんじゃねーんだよ！ 奪い合って戦争すんだよ！ 人の優しさにつけ込んで藤崎とくっつこうなんて、百万年早いわぁぁぁ！！」






……言い争いを止めるべきなのに。



どうしてだろう。嬉しくて、言葉が出ない。