私の彼氏はおデブさん
「は?……橘、本気?」


「はあぁぁぁ!? 涼花のバァーァァァカ!!! お人好しっ!!!」





藤崎君から呆れられたような顔で見られ、相沢さんからは目を見開いて凝視される。




……分かってる、私はバカだ……。


でもこんな廊下で、他の生徒達から見られてる中で頼む程、深瀬さんは本気なんだと思う。






だから断れるわけないよ……。





「後悔しないでよ? 今、了承したのは橘さんなんだから」


「分かってます……」


「橘さん……。ありがと」





後悔しないでって言われたって、そんな言い方されたらやっぱり私の選択は間違ってたのかと思っちゃうけど。



ポツリと呟いた深瀬さんの感謝の言葉に、そんな迷いも一蹴して消えた。




深瀬さんの目に溜まっていた涙も……。いつの間にか段々とひいてきていた。
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