私の彼氏はおデブさん
慌てて図書室へ向かう。




図書室は教室のある第一校舎から渡り廊下を渡った第二校舎の二階の隅にあって、放課後たまに行くけどいつも生徒は少ない。





「失礼します……」






図書室に着いてドアを開け中を覗くと、今日も普段通り。




机の前には一人の生徒しか座っていなくて、静かだった。






(藤崎君はどこにいるんだろう……)






そのまま中へ入ると、奥の本棚の方へと進む。




すると……。






「……あ、藤崎君」






本を探していたのか、本棚の前で藤崎君を見つけた。




私の声に気づいて、藤崎君は隣に立つ私の方へ顔を向ける。




そして呼んだのが私だと気づくと、瞬時に顔をしかめた。







「……誰? 何か用?」






誰って酷い。やっぱり怒ってる……。
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