私の彼氏はおデブさん
「相沢さんは、本当に良い女なんだよ!! 玉ちゃんと付き合ってる時は、玉ちゃんを凄く幸せそうな笑顔にさせてた! 玉ちゃんにあんな顔させれるのは相沢さんしかいない!」

「でもふったのは玉川の方だろ?」

「そうだ! それもこの橘のせいだっ!!!」






(えっ……?)




洸ちゃんの言葉に対して、答えながらミヤビちゃんが私を指差すと、私はごくっとツバを飲む。




ミヤビちゃんの目はいつのまにかうるうると潤んで、その綺麗な涙は宝石のよう。





「橘が現れなかったら、あの二人は別れなかった!!」


「ミヤビちゃんは、玉川君のことが好きなんでしょ……? 相沢さんと玉川君に別れて欲しくないって思ってたの? 自分が付き合いたいって思わないの?」


「見つめる事だって愛だろ!! 私が玉ちゃんを幸せに出来るなんて初めから思ってない!! 玉ちゃんをあんな風に笑顔に出来るのは相沢さんなんだよ!! だから二人には別れて欲しくなかった……」






手を下ろして俯くミヤビちゃんが、急に大人しくて可憐な女の子に見えてくる。




(私だって、二人には別れて欲しくなかった。優希ちゃんに悲しい想いをして欲しくないから)




けど、もう状況は私達の望むものとは違う方向へ変わっていってる。
< 354 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop