私の彼氏はおデブさん
「でもびっくりした〜。今日も橘ん家でココアでも1杯やって風呂入って夕ご飯食べてDVD観て眠ろうかなって思ってたら、部屋で橘が泣いてんだもん。今日一番びっくりした!校長のヅラがずれそうになってるの気づいた時よりびっくりした!」




「玉川君……そんなにくつろぐ気で毎回うちに来てるの?というか、校長のヅラの方がびっくりするんだけど……」






呆れた目で玉川君を見ていると、相沢さんがポテチを食べながら言った。





「藤崎の奴私より先に痩せやがって、くそっ!涼花、失恋して女は綺麗になるんだから、今日を乗り越えて綺麗になるんだよ!綺麗になって、藤崎を見返してやんな!」


「うん……相沢さん」


「で、どうしたら痩せるか藤崎に聞いといてよ!」


「いつか聞いとくね……」





確かに、相沢さんの言う通り。



失恋した途端、綺麗になりたくなった。




また洸ちゃんに振り向いて貰えるような女の子になる為に、くよくよしていられない。





「そうだ、青ちゃん!青ちゃんの部屋にDVDあったでしょ?笑える奴。あれ観ようよ!涼花が元気出るように!」




「あ、それ良いじゃん!俺ちょっと取ってくる!」






相沢さんの言葉に玉川君は笑顔で立ち上がると、そのまま部屋から出ていった。



と、部屋の中は私と相沢さんの2人きりになる。







< 63 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop