野球してる君が大好きです。
こんなこと本当は思ってないし
これから先ずっと辛いって
自分でもわかってるはずなのに。



「全部…なかったことにする。胡桃…」

「ん…?」

「陽斗に全部なかったことにしてって言っといてほしい…」

「え、でも‼︎」

「お願い、胡桃…。忘れるって決めたの…。だから、いつまでも陽斗のこと…」

「もう言わなくていいよ…。わかった。言っておく…」


胡桃はそう言ってくれた。


私が辛いのは胡桃もわかってる。
前もずっと相談に乗ってくれて、
私ばっかり相談して。


胡桃は優しすぎるんだよ…。



「はぁ、陽斗くんなんてもう、忘れるんだね?」

「うん」

「明日は2人で思いっきりはしゃごう‼︎それで、帰って来た時に、別れたこと後悔させてあげなよっ‼︎」

「うん…」














そんなことできたら










こんな簡単に











忘れたりしないよ。










半年が経った頃には












陽斗のことなんて










頭の片隅にも











置いていなかった。










陽斗との










思い出を











私は全て










私自身で消していたから。











陽斗に何を言われても










陽斗が誰か










私の中では











もう、わからない。
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