野球してる君が大好きです。
練習が終わり
みんながベンチに戻ってくる。

陽斗と顔を合わせられない…。


無理だ。
合わせたくない…。


私はさっさと逃げようとした。


その時…
「帆乃香先輩‼︎」

直弥くんが呼んできた…。


こんな時に……っ

「ど、どしたの…?」
「いやぁ、陽斗先輩が探してましたよ」
「あ、そ、そうなの…」
「はい!部室入って行きましたけど」
「わ、わかった」


でも…、私は部室に行く気はない。


教室までカバンを取りに行った。


(ガラッ

扉を開けると、

「わっ‼︎」
一人の男の子がいた。

陽斗だった。


(え……、なんで。教室…ここじゃ)


「あれ、帆乃香じゃん」
女の子がいる。

斎藤千陽(さいとう ちはる)だった。


「千陽…」
「あ、私、アメリカ行ってたの知ってるでしょ…?」
「ぁ…うん…」
「それでね!陽斗くんと付き合うことになったの‼︎」

千陽は私の気持ちも知らないで
自慢げにそう話す。

「そ、そか…おめでとう…」

苦笑した。
自分の机の上にあった
カバンをとって、
教室から出ようとした時。

(パシッ


千陽が私の腕を掴んでいた。


「陽斗に何かしたら私が許さないから」


脅しなのか。

少しぞわっとした。

私は頷いて、急いで家に帰る。
走って帰る。

朝から体が重いのに。えらいのに。










千陽と陽斗が付き合ってるんだ…。









わたしは、応援するって決めた。











だから、
わたしの分まで幸せになってね。千陽。
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