野球してる君が大好きです。
ーーーしばらくして…。


「ん……」
私は起き上がった。

「お嬢様‼︎まだ起きてはいけませんよ」
「結城…?」
「なんでございましょう?」
「な、なんで私…ここに?
さっきまで学校に…」

結城は俯いて話す。

「お嬢様は…帰る際に
高熱で倒れたのですよ…」
「え、こ、高熱…」
「はい。なぜ、無理をするのですか」

結城の真剣な顔が私の目の前にある。

「無理なんて…」
「…とりあえず、まだ熱が下がっておりません。寝ててください…」

私は結城の言う通りにした。

「氷枕を用意してくるので…」
「うん…」

今まで、結城は
私より賢くて、でも、ちょっと不器用で

そんな感じだったのに
今日初めて、『優しい』と思った。


(結城って…本当は
優しくて誠実な男性なのかしら)


私は結城が戻ってくるまで、
ずっと、横になっていた。
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