野球してる君が大好きです。

結城の彼女*

「行きたいところ…ある?」

結城から突然質問され、
私は少しの間返答に困った。

「え、映画館。映画を見たい…」
「映画…か。実は、僕も行きたかったんだ」
「結城も?!」

私は結城と同じ場所に
行きたいと思っていたことが
少し嬉しかった。

「何観たい?」
結城は歩きながら
質問をしてきた。

「そうね…、今流行りの、恋愛もの。もしくは、ホラー映画とか…」
「意外…!ホラーとか好きなんだ」
「好きだよ…」
「でも、恋愛もの観よっか」
「いいの?」
「うん、僕は別に構わないよ」

結城はまたニコッと笑う。

(ドキッ
私はその時、
どんな感情を抱いていたのか
わからなかった。

それが恋だということすら、
わかっていなかった。
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