野球してる君が大好きです。
ーー映画が終わり。

「面白かったね」
「うん…」

私は今日の外出はずっとこのドキドキを
抑えられないのかと考えていた。

「…お嬢様…」

急にそう呼ばれ、現実に戻った。

「な、なに?」
「申し訳ないのですが…先に屋敷に帰っててもらえますか?」

最初、何を言っているのか
わからなかった。

「ぇ、い、いいわよ」
私はそう答えてある雑貨屋に向かった。


(もぉ、なによ‼︎自分から誘っておいて、先に帰らせるなんて‼︎ありえない!)

そんなことを思いながら
雑貨屋の商品を見ていると…

「ぁ、陽斗くん‼︎」

胡桃の声が聞こえた。

「胡桃…、ごめん、わざわざ、呼んでしまって…」
「いいんだよ!
それより、今日はなんで…」

そんな会話が聞こえた。

(ズキッ

なんでこんな会話を聞いただけで
胸が痛むのかわからなかった。

(なにこれ…、なんで…)

私はその会話を聞くのが辛く
その場から走って家に向かった。

外は雨が降っていたにもかかわらず、
私は急いで帰る。
体が弱いなんてことわかってた。
それでも、結城と胡桃が一緒にいることが、私にとっては辛かったのだ。
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