野球してる君が大好きです。

バレンタイン*

_____翌日。



ついに、バレンタインとなった。

結城にまだ好きな人がいると知った昨日から私は眠れなかった。

どうしてなのだろうか。

おそらく……
結城が好きだからだろう。


でも、伝えることができないのは…
その後を恐れているから。


それでも、『好き』を伝えたくて……









「好き以上の言葉が見つからないの…」

私は俯きながら呟いた。


結城にとって、私たちの関係が
【執事】と【お嬢様】でも、
私にとって結城は
【初恋相手】なのである。




私が一人考えていたら…

(ガチャっ

突然扉の開く音がした。

「お嬢様……?」

結城だ。

「お嬢様、どうなさったのですか?」
「え…?」
「何回呼んでも…返事が…」

考え事をしていたからだろう…
私は何も聞こえなかった。

「ご、ごめん、考え事を…」
「そうでございましたか」
「ええ……」
「朝食はどうしましょう…?」
「……いいわ…」
「そうでございますか…」

結城の声は少しだけ
寂しそうに聞こえた。


私は急いで学校に行った。

胡桃とも話して、
3時半に公園に集合となった。


(よし!がんばろっ‼︎)


私は必ず渡すと決めた。
伝えることはできなくても
渡せるものは渡したい。
それも今日は特別な日だから。



バレンタインと同時に
結城の誕生日である。



胡桃には秘密にしていたが
私はチョコを作った上に、
マフラーなど、
寒い時期に必要なものを
編んでみた。













(喜んでくれると嬉しいな…)

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