野球してる君が大好きです。

三吉先輩の初告白*

朝に金山さんに会って、
三吉先輩のことで嘘ついて
それを引きずって
授業を受けて…


___昼休みになりました。





私はお弁当も食べずに
屋上に行った。









(もう来てるのかな…)



2年生の教室は2階で、
私たち1年生は3階に。
そして3年生は1階に。


たから、屋上に行くなら
私たちはすぐだ。









(がちゃ


屋上の扉を開ける。








開放感溢れる視界に、
澄んだ青空。
美味しい空気。
爽やかな夏風。









まさに
夏を感じられる
そんな季節になりました。













わたしは三吉先輩を探す。


「どこだろう…」
「帆乃香ちゃーん!」

後ろから声がした。
振り返ると
三吉先輩が手を振っていた。


わたしはそこまで行った。



「遅れてごめん」
「全然大丈夫です」
「はは、よかったわ」
「ふふ…」
私は微笑する。

三吉先輩の顔は赤くなっていた。


「あんな…話したいこと…」
「はい」
「えとな…」

三吉先輩の口から出た言葉。












結構前の話だ。
















結城に言われた。














「俺、帆乃香ちゃんのことが好き」
『俺、帆乃香のことが好き』







まるで、あの頃に戻ったように
くすぐったい
あの感覚
あの感情

柔らかい眼差し

そして
恥ずかしげに笑う顔。







その全てが私に教えてくれた。









私は三吉先輩に告白されたんだ。と。





しばらくはびっくりして
動けなかったけど、
ようやく理解した。


「え、ええ⁉︎」
「そ、そんな驚かんでも」
「す、すみません…」
「…返事はいつでもいいし…」







そんなこと言われたって
もう、決まっている。






誰になんと言われようが
なにされようが
この気持ちだけは変わらないのだと思う









「ごめんなさい‼︎…私、好きな人いますっっ」

私は勇気を振り絞って言った。


「そ、そか…」

三吉先輩の声が少し
震えるのがわかった。



俯いていた顔をあげて
三吉先輩の顔を見ると…


「…三吉先輩…?」
「ごめん、なんでもないんやで…」

泣いている。
男の人が泣いている。



「返事…ありがとう」
「い、いえ…」
「友達でおってもいい?」
「はいっ!」


私がそう答えると
泣き笑いして三吉先輩がこっちを向く。


その顔がなぜか
懐かしく見えた。









結城…。
いや、陽斗。







あんなこと言ったけど…
本当はまだ大好きなの。












私はまだ子供で
わがまま。

だけど、


あなたを愛する気持ちは
誰にも負けないから。










また、伝えたい。








「あなたが好き」と____
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