野球してる君が大好きです。
「結城……」

そう呼んだら
そっと体が離された。

「はは、何やってんだろ、俺」
「ぇ…」
「まだ言ってなかったっけ…」
「何を……?」
「俺、お前と別れてから付き合ってんだけど……」



それを聞いた時、
今までのことが全て
嘘だったのが
悲しかった。

「だから、ごめん。もう関わんな」


そう冷たく言い放った結城は
私のことを記憶から
消そうとしているようだった。



そんなに冷たくしなくても。




そんなことを思ったけど、
悪いのはわたしだ。




なんで、三吉先輩を振ったのだろう…
















過去にしがみついてるだけ。













そんなことはわかってるのに…













「そんなことは……、とっくのとうに、わ、かっ、てるの……」


涙が溢れる。










教室から抜け出した。









その行動が
悲劇を呼ぶなんて思わずに。
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