野球してる君が大好きです。

記憶喪失*

___数日後。




私は目を覚ました。
白い天井。
周りには
お父様、三吉先輩、翔太先輩、遥香先輩、胡桃、寿也くんがいた。




見覚えがあるのはその人たちだけ。





なのに、1人だけわからない人がいる。











「帆乃香……」








なんであなたは
私の名前を知っているの……?









「帆乃香、大丈夫か?」
「えぇ、お父様。大丈夫」
「とりあえず、みんなの名前を覚えてるか確認するぞ」


そう言われてお父様がひとりひとり指をさす。

私は最後の一人までは全員答えられた。





「じゃあ、帆乃香…。最後の人はわかるか?」








私は見覚えもないし、関わったこともない。










「わからないわ。あなたは誰なの?」








どうしてみんなそんなに驚くの?
ねぇ、どうして?









「帆乃香……っ」








その人は少し涙を堪えていた。




どうして、泣きそうなの?
























ねぇ、みんな教えてよ。













そんなことを思ってると
病室に主治医が入ってきた。











「診断結果がわかりました」
先生はみんなに向けて言った。





「……鳥羽さんは一部の記憶を失っています……」






一部の記憶?
もしかして、あの人のこと?








「状態が良くなるまではずっと入院になります」
「わ、わかりました……」







お父様の答えを聞いた後、主治医は一旦病室を出ていった。












あの人はほんとに誰なの。
















私の……知ってる人なの…?
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