野球してる君が大好きです。
「帆乃香……。本当に……」
「わからない……」


やっぱりみんなは驚いている。


「……あなたは誰なの…」
「……もう、いいや」

その人は病室から出て行こうとした。


「冨樫‼︎」

三吉先輩がその人の腕を掴んだ。

「冨樫…くん……?」


一瞬でわからなかったけど
その人の肩が
ピクッと動いた気がした。

「……どこかで会ったことある…?」
私は恐る恐る聞いてみた。








こんなこと聞くのに
確信はなかった。
ただ、なぜか急に…。
少しだけ記憶が戻ってきたかのように
彼のことが懐かしく感じたのだ。




「あるよ…。でも、もう関係ないだろ」

彼はそう言い放ち
三吉先輩の手を振り払った。
そして走って病室を出て行った。






「帆乃香、陽斗くんのこと…」
「陽斗くん…?」
「ぁ、と、冨樫くん‼︎」
「…なんか…懐かしく感じたの」

周りがざわっとした。

「そか。記憶が戻るまでの辛抱だね」
「うん。私、頑張るよ」

そういうと、みんなが
がんばれ!
と言ってくれた。









もう、前に進まなきゃ。
過去がわからないなら…。
今ある未来に進まなきゃ。


















それと同時に思ったことはひとつ。

























___また冨樫くんに会いたい。
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