野球してる君が大好きです。
3日間*
___翌日。
準備も済ませ
私は着替えた。
今日から3日間。
みんなで夏休みを楽しむ。
「お嬢様…、準備は…」
「で、出来たわ!今行く‼︎」
私はそう言って荷物を持って
部屋から出る。
「お待たせ」
私はそう言って、彼を見た。
「かっこいい……」
私の本心だ。
結城には聞こえてないはずだけど……
「ぇ、お嬢様…、いま」
キョトンとしている。
「ぇ、いや‼︎な、なんでもない!」
「…お世辞ですか…?」
私は首を横に振った。
その時、結城はグッとわたしを引き寄せた。
「結城…⁉︎」
「ありがとうございます」
耳元でそう言われた。
くすぐったい。
「えと…」
「昨日のは…、ほかの方に言ったことですよね?」
昨日の?
私は昨日何も言ってないと思っていた。
だが、すぐに思い出した。
それが結城への言葉でも
別れた結城にそうだとは言えなかった。
「ほ、他の人よ…」
「そうでございますか。お幸せに」
その言葉は結城にとって
どういう意味なのだろうか。
声がかなり震えていた。
「結城…?」
「すみません…」
そう言って結城は私の体を離した。
「早く行きましょう!遅刻しますよ?」
彼は私の前を歩く。
いつもは大きいはずなのに
今は少しの小さく見えた。
「本当は…結城のために言った言葉よ」
そう声をかけてあげたかった。
でも、何もしてあげられないまま
駅に着いたのだった。