アイ ラブ ミュージック
「よっ。」
振り返ると缶のココアを差し出しながら
リョウタさんが私を見下ろしていた。
「あ!リョウタさん!」
時計をみるとさっきから10分たったくらいだった。
はやめに来ていて良かった、
約束の時間とはいえ、
リョウタさんを待たせるところだった。
「ミナちゃん、きっとはやく来てると思う。ってユカリから連絡きてさ、
来てみたらやっぱりいたね。」
リョウタさんが少し笑ったように見えたので
私の緊張が少しほぐれた。
会場に行くのには少し早すぎるので
二人でココアを飲みながら
時間をつぶした。
リョウタさんはあまり喋らない人だと思っていたけれど
少し話してみると、とても面白い人で
自己紹介の時は部活に来る前に
担任に怒られたから
機嫌が悪かったということを聞いた。
私もだんだん、喋れるようになった。