反省文と、進路指導室。


「…そう、ですよね。
明日、仕方がないから反省文、書き直してあげますよ。

さて、じゃあ、私は帰りますね。」



と言って俺に背を向ける村井の腕を、ぎゅっと掴んで引き止めた。


「…あれは、反省文と言うよりも。

ただの“恋文”だ。」


「えっ…。」と小さく声を漏らし振り向く、村井の目には、涙が溜まっていて。



もう、気づかないフリなんて、してやらない。




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