反省文と、進路指導室。
「じゃあ、私の書いた“恋文”の答えとともに、本当の反省文の書き方を、教えてくださいよ、杉山先生?」
と言って、顔を近づけてきた村井を寸前で、引き離す。
「俺たちの関係を忘れるなよ、あほが。
卒業まで、俺は“気持ち”を口に出さないし、態度にも出さない。」
「ふん、あと数ヶ月くらい余裕です。
…でも、1度くらいいいですよね。」
そう言った村井は、俺に掴まれている腕を、逆に引っ張ると。
ふわっと香る甘い匂いと同時に、ちゅっと当たる頬っぺたに違和感。
「おい、村井!?」
とっさにそう言い、村井を見ると。
「杉山先生、静かに。見つかっちゃうよ?」
と、口元に人差し指を立てる。