キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
……あれから散々探し回ったけど、結局、日付が変わる頃になっても、コタロウは見つからなかった。
コタロウを探さないといけないという焦りと、ご近所に迷惑を掛けないように声を張り上げすぎないように気をつけることと、目を凝らすことと。
たったの数時間そうしていただけで何日も探しているわけでもないのに精神的にも体力的にも辛くて、探せば探すほど、コタロウの名前を呼べば呼ぶほど不安ばかりが大きくなっていった。
どくどくと鳴り響く心臓が苦しくて泣きそうでたまらなかった。
コタロウはどこに行ってしまったのだろうか?
無事でいるのだろうか?
早く探してあげないと、という気持ちが膨らみっぱなしだった。
「……そろそろ、坂本さんは家に戻って。もう12時回ったから」
「っ」
嫌な宣告をされてしまった。
まだ、私は探したいのに。
「あの、もう少しだけ」
「ダメ。送るから、帰ろう」
「~~っ」
低い声で怒ったように言われて涙が出そうになった。
でもそれを抑えて、泣いたら前が見えなくなるから泣いちゃダメ、ワガママなんて言っちゃダメ、と私はキッと顔を上げる。
ふぅっと小さく息を吐いて「わかりました」と言おうとした時だった。