キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
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虎谷先生に『ちゃんと風呂に入って、ちゃんと寝ること』と何度も念を押され、先生に送られて私が家に帰ってきた時には夜中の1時を回っていた。
家に帰ってからすぐにベランダや玄関先などを見渡したけど、やっぱりコタロウの姿はなかった。
玄関先で待ってもらっていた先生にパンやお菓子や飲み物を渡して、コタロウのことをお願いした。
そのあと、先生に言われたことを少しでも守るように、私はささっとシャワーを浴び、ベランダや玄関先などを気にしながら夜を過ごした。
コタロウのいない生活はコタロウが家に来てから去勢手術の入院以来初めてのことで、とにかくコタロウのことが気になって気になって仕方がなかった。
ふと横を見れば、いつものようにコタロウがいるのではないかと思ってしまうほど、一晩中、私の頭の中はコタロウで埋め尽くされていた。
ソファに座って、風で窓が揺れるたびにベランダを見に行っていたけど、コタロウの姿は一度も見ることなく、いつの間にかうとうとと寝てしまっていて、気付いた時には朝の4時を過ぎた頃だった。
外はまだ、暗い。
私はベランダと玄関先を確認する。
……コタロウはいない。
少し外にも出てみようとアパートの周りを見回った時、雨の粒がぽたっと頬に当たったのを感じた。
「!嘘……っ!雨っ?」
暗くてよく見えないけど、空は雲に覆われていることだけはわかった。
もしかして、夜中の間にも雨が降っていたのだろうか。
それなら、コタロウと先生は雨に濡れてしまっているのではないかと不安が走る。
雨が降りそうなことはわかっていたのに何で先生に傘を渡しておかなかったのかと、後悔した。
先生のところに行って、早くコタロウを探しに行かなきゃ!と焦り始めた時、先生の姿が目に映った。