キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「坂本さん。無理するなよ。今日は寒いし、ちゃんと休みもいれながら探すようにして。ご飯もちゃんと食べて」
「……はい。ありがとうございます」
「また来るから」
「え?や、大丈夫ですよ?お仕事で疲れてるところを手伝ってもらうなんて……、っ!」
突然先生の人差し指が私にびしっと向けられ、私は言葉を止めてしまう。
「その遠慮の言葉も聞き飽きた。今度言ったら罰金だから」
「ええっ!?な、何で……っ」
「頼れって言ったよな?いい加減、素直に受けとれよ」
「せんせ」
「あ、このチラシ、使わせてもらうから」
「へっ?」
「じゃあ、ほんと無理するなよ!」
「え、ちょ……っ」
虎谷先生は早口で、でも私に念を押すようにしてそう言い残し、去っていった。
「何なの……って、探さなきゃ!」
とりあえず先生は帰ってくれたし、ちゃんと休んでくれるはずだ。
それに今私が優先すべきことはコタロウ。
ひとりになったんだから、今まで以上に頑張らないといけない。
とにかく今はコタロウのことだけを考えて、探そう。