キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
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家に帰ってきてすぐにコタロウをお風呂に入れた。
コタロウは小さい頃からお風呂に入れていたからか、そんなには水を嫌がらないんだ。
とは言っても、一般的に水が嫌いと言われているネコの性質はそのままに、自分からはすすんで水に入ることはないけれど。
毛が濡れて普段よりもほっそりとして見えるコタロウの身体を拭きながら、私はコタロウを抱えてリビングに戻った。
コタロウがよく寝転んでいるお気に入りラグにコタロウをそっと下ろすと、ぷるぷると身体を震わせて、これでもかというくらいびよーんと伸びをした。
そしてゴロンと床に寝転び、くわぁぁとあくびをする。
とろんとした目のまま、コタロウは顎を床につけた。
自分のにおいのする家に、きっと安心したのだろう。
遊ぼうとしないところを見ると、疲れもあるのかもしれない。
「コタ、疲れたよね。今日はゆっくり寝ようね」
私はコタロウの目線に合わせるように身体を腰から折りたたむようにして床に近付け、コタロウのお腹を撫でながらそう言うけど、コタロウは返事をすることはなく、撫でる私の手に気持ち良さそうな顔をするだけだ。
そんなコタロウがかわいくて仕方なくて、いとおしいなぁ、と思いながら、私はポツリとコタロウに話し掛ける。
「……ごめんね。コタロウ。ひとりにさせちゃって」
コタロウが気持ち良さそうに目を細めて、ごろごろと喉を鳴らす。
「コタロウのことがすごく大切だって、今回のことで本当に改めて身にしみて感じた。これからもずっと一緒にいたい。でも……、コタロウが大切だけど……コタロウだけじゃなくて私、やっぱり……」
……虎谷先生のことが好き。
こんなに人を好きになったのはいつぶりだろうと思うくらい“恋心”にはブランクがあるけど、もう誤魔化せないくらいまで気持ちが膨らんでしまって、抑えられないみたいだ……。
今すぐどうこうするつもりはないけど……やっぱり、このままずっと“ただの患者”でいるのは嫌。
……先生にもっと近付きたいよ。
先生のことをもっと知りたい。
そう、思ってしまったのだった。