キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
 

仕事を終えてロッカールームに向かっている時、ばったりと伊野局長に遭遇した。


「あ、坂本さん。お疲れ様」

「伊野局長、お疲れ様です!まだお仕事残っているんですか?」

「あぁ。薬の確認をしておきたいところがあってね」

「本当にお疲れ様です」

「ありがとう。それよりも……坂本さん、最近何かあった?」

「え?」


突然の伊野局長の言葉に、私は首を傾げてしまった。

何のことだろうと思っていると、伊野局長が「うん」と言って話し出す。


「いや、何か先週くらいから元気がない気がしてたからさ。それまではずっと楽しそうだったから、余計に気になって」

「……そんなこと、ないですよ?」

「本当に?」

「本当ですって!」

「……そう?それならいいんだけど」


伊野局長の鋭すぎる観察眼に少し言葉に詰まってしまったけど、何とか誤魔化せたようだった。

明らかにテンションが落ちているのは自分でもわかっていて。

それでも仕事中には出さないようにしていたのに、局長にはバレていたんだな……。

 
< 135 / 257 >

この作品をシェア

pagetop