キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
仕事を終えてロッカールームに向かっている時、ばったりと伊野局長に遭遇した。
「あ、坂本さん。お疲れ様」
「伊野局長、お疲れ様です!まだお仕事残っているんですか?」
「あぁ。薬の確認をしておきたいところがあってね」
「本当にお疲れ様です」
「ありがとう。それよりも……坂本さん、最近何かあった?」
「え?」
突然の伊野局長の言葉に、私は首を傾げてしまった。
何のことだろうと思っていると、伊野局長が「うん」と言って話し出す。
「いや、何か先週くらいから元気がない気がしてたからさ。それまではずっと楽しそうだったから、余計に気になって」
「……そんなこと、ないですよ?」
「本当に?」
「本当ですって!」
「……そう?それならいいんだけど」
伊野局長の鋭すぎる観察眼に少し言葉に詰まってしまったけど、何とか誤魔化せたようだった。
明らかにテンションが落ちているのは自分でもわかっていて。
それでも仕事中には出さないようにしていたのに、局長にはバレていたんだな……。