キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
5.幸せと罪と罰と
~名前
***
「んーやっぱり、“みーこ”がいいかなー」
「……あの?先生、さっきから一体何を言ってるんですか?」
「コタはどう思う?ん?」
「……」
虎谷先生は私の顔をじっと見てそう呟いたかと思えば、コタロウに目を向けて訊ねるけど、コタロウは光の当たり方によってキラキラとカラフルに見える“ころりんぼぉる”を追いかけることに夢中で、返事どころか先生のことを全く見向きもしない。
“ころりんぼぉる”を追いかけるコタロウは、爛々とした瞳を輝かせていて、それはもう!それはそれはもう!!ハンパなくかわいい。
私はコタロウのそんな姿を見るだけでにやけてしまっていたんだけど、“ころりんぼぉる”をコタロウにあげた本人である先生は何だか拗ねた表情を浮かべていた。
コタロウが自分を見てくれないことが寂しいのか、先生は「なぁ~コターコタコター」と何度もコタロウのことを呼び続けている。
それでもやっぱり、コタロウの瞳が先生を映すことはなかった。
「……仕方ない」
「え?先生っ?」
先生はガバッと立ち上がってそう呟き、ローテーブルの脇に置いていた自分のバッグを漁り始めた。
何だろう?と見ていると、諦めの悪い先生が「いざ!」と取り出したものは“きらりんねこじゃらし”となるものだった。
「本日の秘密兵器っ」
「?」
私に向かってにっこりと笑い、コタロウの前にそれをファサッと差し出すと、コタロウの目線がようやく先生の方を向き、意地悪に動かされるそれを追いかけ始めた。
それと同時に、先生の顔に満面の笑顔が戻った。
「ぷっ」
コタロウだけじゃなくて、先生もかわいすぎます!
私はくすくすと笑ってしまいながら、そんな微笑ましい光景を横目にして窓の外を眺めた。