キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「まさかとは思いますけど……もしかして、“みーこ”って私のあだ名ですか?」
「うん、当たり。かわいいだろ?みーこにぴったりだと思うんだけど、どう?」
「それ、完全にネコ扱いじゃないですか……もうっ」
前は“みゃーこ”とか言ってからかわれたし……。
先生にとって私はコタロウと同等の存在なのかもしれない。
何だかおもしろくなくて、私はこっそりと頬を膨らませる。
「ネコ扱いなんてしてないんだけどな。みーこ、いい加減顔上げてこっち向いてよ。顔見たい」
「!……先生って本当にズルイですよね」
私をこんなにもドキドキさせて。
先生はいつも飄々としているのに、何か負けてる気がする。
悔しくて私は素直に顔を上げられなかった。
「みーこ。こっち見て?」
「……」
耳元で甘い声で囁かれて、さらに心臓がどきん!と高鳴る。
……耳が熱い。
先生の思い通りになる気がして悔しいけど、これ以上こんな風に言われてももっと心臓が爆発しそうになるだけだ、と私は観念して、そっと先生のことを見上げる。
するとそこには優しい笑顔を浮かべている先生がいた。
「やっと見てくれた」
「ん……っ」
ふ、と気が抜けるように笑った後、先生は再び私の唇を塞いできた。
さっきよりも長いキス。
……そして、私の中に入ってくるあたたかさに、胸がきゅうっと締め付けられる感覚が私を襲った。
私はもう、何も考えることなんてできなかった。