キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「でもさ、実際のところこの歳なんだしさ、焦らすのも適当にしといた方がいいと思うわよ?」
「べ、別に焦らしてるわけじゃないよ」
「美夜子はそう思ってても、男はいつまでも待ってくれるものじゃないわよ?最初は理解してくれる風でも、そのうちめんどくさいと思ってくるはずだし。ていうか、美夜子ってそんなにガード固かったっけ?センセイのこと本当に好きなら、もったいぶることでもないでしょ。初めてってわけでもないんだし」
「璃世は直球すぎるよ……もうっ。……でもなんか、罪悪感、はあるのかもしれない」
「罪悪感?何に対して?」
「……それは……よくわかんないけど」
「はぁ?何それ?意味わかんない」
璃世が肩をすくめて「センセイも大変ね」と言い、ハァと息をつく。
はっきりと原因のわかっている罪悪感がそこにはあるけど、今の璃世に言うことはできなかった。
大事な時期なのに変に心配かけちゃいけないから。
あの時、もしコタロウが鳴かなかったらどうなっていたんだろうか?
罪悪感なんか無視して、私は樹さんに溺れていたんだろうか。
それとも……罪悪感に苛まれて理性が働いていたのだろうか。
……今となってはわからないけど。
どっちに転んでも結局、私には罪悪感が付きまとうことになるんだ。
“先”には進まなかったとは言え、樹さんから離れない選択をした私は、その時点で罪深き人間になってしまったんだと思う。
……相手がいるかもしれないのに、私は真実を確かめることが怖くて、見なかったふりをしてその手を取ってしまったんだから。
重く圧し掛かる、罪悪感。