キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「……じゃあ、樹さんと西岡さんは」
「ただの同僚で、ただの友達だよ。みーこが不安に思うことなんて、何もない。さっきのことからも、俺と西岡さんが何もないってことは理解できただろ?今頃、あっちも二人でいちゃいちゃしてるよ。何だかんだでこっちが恥ずかしくなるくらい仲はいいから」
「……っ」
……そうだったんだ。
それが真実。
良かった……。
話を聞いて一気に安堵感が襲ってきた私の目からはまた涙が溢れ出してしまった。
樹さんの腕を濡らしたくなくて、樹さんから離れようとするけど、その腕の力は緩むことはなかった。
「い、樹さん……ちょっとだけ離してくれませんか?顔、拭かせてください……」
「嫌。みーこ、すぐ逃げるから」
「!逃げませんから!あの、今私の顔ぐちゃぐちゃで、服が汚れちゃうので」
「いいよ」
「や、よくな……ひゃっ?むっ」
一瞬だけ樹さんの腕の力が緩んだかと思えば、私の身体がくるりと反転させられていて、気付けば私は樹さんの胸の中にいた。
樹さんの手が私の後頭部に当てられていて抱きしめているせいで、涙でぐちゃぐちゃになっているはずの顔が樹さんの胸にぎゅっと押し付けられてしまう。