キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「い、樹さんってば!だから、服が……っ」
「服なんてどうでもいい。っていうか、そういう決断をしてたってことは……俺のことを信じてくれてなかったってことだよな」
「う……っ!」
痛いところをつかれてしまって、私は言葉が出なかった。
でも、あの状況で信じろって言われても無理……っ。
「まぁでもあれか。俺がちゃんと西岡さんのこと言ってれば良かったんだよな」
「や、あ、あの……」
「気にさせたくなくて言わなかったら、完全に裏目に出てたとか」
「ほんとバカだよな」と言う樹さんに、ちょっとだけ頷きそうになってしまった。
「……今は?今も俺のこと、まだ信じられない?」
「!」
「不安に思うことがあるなら全部言って。で、俺のことを信じてよ」
「樹さん」
「……みーこだけが好きなんだ。それをちゃんと知って、感じていて欲しいから」
その声にはいつもの余裕が感じられなかった。
そっと顔を上げて樹さんのことを見ると、目に映るのは切ない表情を浮かべた樹さんだった。
樹さんのそんな表情を見るのは初めてだった。
私が別れるって思ったこと、樹さんも不安に思ってくれてるの?
……これがポーカーフェイスを崩した樹さんなの?
こんな時なのに、嬉しさが私の中に広がった。