キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「樹さんの余裕の表情って、どうやったら崩せるんですか?」
「……へぇ、知りたいんだ?」
「そりゃあ……だって、いつも私が慌ててばっかりだし」
「ふぅん?そっかぁ~」
こんな風に話していてもやっぱり樹さんの表情にはいつもの余裕しか見えなくて、私が樹さんのポーカーフェイスを崩していたなんて真実じゃないんじゃないかと思えてくる。
さっき見せてくれていた表情も、もしかしたら目の錯覚だったのかも、なんて思ってしまう。
「教えてもいいけど……俺のこと、ちゃんと信じてくれた?」
「……たぶん」
「たぶんはダメ。ちゃんと信じて」
「……っ、ズルい」
「知ってるだろ?俺がズルいってことは」
「……」
答える代わりに私はぶぅと頬を膨らませた。
すると、樹さんはくすりと笑って、私の頬に手をあてる。
「……俺の全てを知る覚悟はできてるんだよね?」
「……」
私を誘うような表情を、私はドキドキしながらも何も答えずに見つめる。
「またそんな顔して。やっぱりみーこの方がズルイし、結構強情だよな。まぁでも……仕方ないから、ゆっくり教えてあげる。俺が壊れるところ、見せてやるよ」
「……ん……っ」
ぶつかるようにして樹さんの唇が私のそれに触れる。
……そのまま夢中にお互いの熱を確かめ合って……どうにかなってしまいそうなくらいの樹さんの甘さに、私は溺れていった。