キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「さ、さっきの話……」
「うん」
「嫌とかじゃないんです……」
「うん、わかってるよ。ありがと」
「……」
樹さんの声の優しさに胸がきゅっと締め付けられて、甘い痺れが身体中に広がる。
何故か、涙まで出そうになってしまって、私は俯き必死にこらえた。
深呼吸をして、樹さんの顔を再び見上げる。
そこにはいつもと同じ樹さんの優しい笑顔があって、私は自然と口を開いていた。
「……あの、こ、コタロウも……一緒に、いいですか?」
「……もちろん。コタロウが一緒なのは当たり前だろ?ライバルは対等でいないとつまんねぇしな」
「一緒にたくさん遊んでくれますか?」
「うん」
「ひなたぼっこも」
「うん。当然」
ふと笑いを溢す樹さんに、私は安心感を覚える。
樹さんなら大丈夫だ。
コタロウのことを大切にしてくれる。
それなら、後は……
「……本当にいいんですか?私で」
「何言ってんの?俺はみーこがいい。みーこしか考えられないから」
「……本当に、本当ですか?」
「当たり前だろ?って俺、そんなに信用ない?」
くすくすと苦笑いする樹さんに、私はぶんぶんと首を横に振る。
「~~っ、違います……!私も樹さんしか考えられません!ずっと一緒にいたいんです!好きだから、ん……っ!」
想いをとにかく伝えたくて樹さんの服をつい掴んでしまった時、樹さんの手に私は引き寄せられて唇を塞がれていた。
すぐに離れて目を開けると、樹さんの嬉しそうな笑顔があった。
「ずっとみーこを守るから。これからもずっと、一緒にひなたぼっこしよう。コタロウも一緒に」
「……はい……っ!」
私は樹さんの言葉に答えて、その胸に飛び込んだ。