キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
何となく先生の顔を見るのが気恥ずかしくてコタロウが一番喜ぶ首元をふにふにと撫でてあげていたけど、私ははっとあることを思い出す。
っていうか、今日は虎谷先生を励ますためにここに来てもらったんだ!
私は私の胸にかわいすぎる前足を乗せてすりすりと擦り寄っていたコタロウを抱えたまま、グラスの乗ったローテーブルから離れ、いつもコタロウと遊んでいるスペースまで移動する。
「あの。先生、こっちに来てもらってもいいですか?」
「え?あ、うん」
やっぱり拗ねた表情のままの先生が来たのを確認し、コタロウを私の身体から引き剥がした。
そして、虎谷先生にぐいっと差し出す。
コタロウはイヤイヤと私の手の中で暴れ、先生は何事かと私とコタロウを見比べる。
「はい。抱いてください」
「!……抱かせてくれるの?」
「はい」
コタロウと遊ぶために来てもらったんだし、きっとコタロウに触れれば虎谷先生は元気になってくれるだろうからと、私は頷く。
先生には心から笑えるようになってほしいし……何よりも私が先生の笑顔を見たいから、起きたばかりだからか何だかちょっと機嫌の悪いコタロウだけど、少しの間だけ我慢してもらおう。
「ふぅん。じゃあ、遠慮なく」
「ひゃあっ!?」