微熱で溶ける恋心
そんな空間に躊躇無く飛び込んだ彼は、呆気にとられている私に、
「おいで。」
優しく手を伸ばす。
「別に初めてじゃないんだし」
「そうだけど」
「それに、俺がこんな焦るくらい早くものにしたいの、分からない?」
困ったように目尻を下げる彼に、恐る恐る手を伸ばせば、少し強引に引き寄せ、
「好きだよ、梓」
手始めにうなじに口づけた。
前回は寂しさを埋める、そして今回は愛を確かめ合うセックス。
始まってしまえば我を忘れて、ひたすら逸平に縋りつく。
ふと、動きが止まった逸平をチラリ、見れば、
「可愛い。」
それだけ言うとまた執拗に攻め立てる。