微熱で溶ける恋心
「ねぇ、梓、」
「何」
行為後、怠くて顔だけ動かして逸平の方を見ると、行為を終えたそのままで堂々水を飲んでいて。
目のやり場に困ってUターン。
「たまに、俺の家来てよ」
「・・・何を唐突に」
「それでご飯作ってよ」
俺、お前のご飯恋しくて、と言いながら水を放り投げると。
「で、そのうち一緒に住も。」
「っ・・・」
彼は、色々唐突過ぎてついて行けない私の横に腰をかけ、髪を撫でる。
「お前いないと寂しいし、イライラするし、困ってるの」
というか、
「もうここまで来て無理です、とか本当ナシ」
返事頂戴よ、と少しだけ不安な顔を見せる彼が可愛くて、クスッと笑いながらこう言った。
「そのうち、じゃなくて近々ね。」
早くあなたの隣に慣れて、気後れしない彼女になるからね。
おしまい。