この恋の結末【短編:完結】
以来、母親がどこに住んでいるのか
所在など諸々の事はわからなくなった。
…勿論、涼弥先生ともお別れになり
私は父の住む街にある塾通いになった。
涼弥先生がどうなったかとか
父親は遭遇したのかとか
母親とどうなったのかなど
今はどうしているかとか
父親なら何かを知っているのかも
しれないけど
あの光景を目にして
淫らに涼弥先生へと迫った母親が
許せなかったから
いつの間にか心の限界で飛び出して
2時間かけて向かった私を
泣いて喚き散らした私を
現場を見てはいないのに
私の様子を見て
察してくれたのであろう父親は
妻である母親より
娘の私の涙を100%信用してくれた。
だから、私の為に
知っていても話題にしないのだと思うと
今更聞ける雰囲気でもなかった。
涼弥先生はあの日あの時
私が見ていた事を
知っていたんだろうか。
あなたの元を
黙って去ったも同然な私の事を
残念に思ってくれただろうか。