この恋の結末【短編:完結】
『…さっき、親父さん言ってた。
“今日の結婚式
純子さん…やっぱり欠席だって。”』
あなたからの言葉に
私は息を吐くと窓の方に視線を向けた。
「…そっか。
お父さんからも
難しいとは聞いていたけど
やっぱりお母さんは納得してないし
許せないんだね…。
……私達がいつの間にか
再会していた事も
こうして結婚する事も…。
…お母さんは涼さんを
男として見てたから
息子としては見れないんだね…。」
そう言って目を伏せた私に
彼は力強く言った。
『…別に俺はあの人に
どうしても来てくれとか
祝福してくれとは思ってはいない。
…あの人に男だと思われようが
息子としては見れないと思われようが
そんな事はどうだっていい。
…俺が好きなのはミリアだけだから。
会えなくなって辛かった。
ミリアとの再会を願って
見つけて貰えるように
この地位まで登り詰めたんだから。
やっと見つけて、やっと手に入れて
やっと俺の戸籍に入れたんだから
……二度と手放すつもりなんかない。』