この恋の結末【短編:完結】
***(回想)***
私、管野実梨亜(当時小学校6年生)は
父親が単身赴任中だった為
普段は母親の純子と二人暮らしだった。
そんな私には秘かな楽しみがあった。
『…こんにちは、ミリアちゃん。
今日も頑張ろうね。』
「…こんにちは。涼弥先生。」
それは、我が家を訪れる
『涼弥先生』の存在だった。
涼弥先生の名前は
千住涼弥(センジュ リョウヤ)。
当時21歳の彼は
誰もが知る有名大学に通う大学生で
週1回私の家庭教師として
我が家に来ていた。
自宅から比較的近い
有名私立中学を受験させようと
母親が自分の恩師の息子だった彼に
私の家庭教師を頼んだ事が
キッカケだった。
『…合格出来るように頑張ろうね。』
握手を求めてきた涼弥先生の手は
細長くてゴツゴツしてるけど優しくて
見れば見るほど
本当にカッコ良くて
勉強も優しく丁寧に教えてくれて
たくさん褒めてくれた。