この恋の結末【短編:完結】
毎週彼に会えるのが楽しみで嬉しくて
彼に淡い恋心を抱くまでに
そう時間はかからなかった。
……小学6年生にして初恋だった。
彼のおかげで成績が伸びて
やる気が出て前向きになれた私は
その私立中学にも無事に合格した。
『…やったじゃないか!!
ミリアちゃん、おめでとう!!』
眩しいぐらいの笑顔で
喜んでくれた先生に
私はますます好きになった。
…涼弥先生が好き。
爽やかでカッコ良くて
優しい笑顔が素敵…。
入学後も彼には引き続き
家庭教師を続けて貰いたい。
このままずっと会いたくて
辞めて欲しくないと思っていたし
母親も涼弥先生と恩師に
説得してくれた事もあり
涼弥先生の続投が決まった。
…しかし、私はこの時
既に起こりかけていたある異変に
全く気づかずに過ごしていた事を
後に思い知らされる事となった。
…それは、中学に入学して暫く経った
ある日の事だった。