この恋の結末【短編:完結】

***


この日、学校が職員研修会の為に

短縮授業で午前中までだったのを

うっかりと私は

母親に言い忘れていた事に気づいた。

まぁ、でも…この平日のこの時間なら

家にいるはずないから

別に言っても言わなくても関係はない。

私は気にしなかった。


母親の仕事は保険外交員だから

平日は仕事に出掛けている。


22歳で私を出産した母親は

今は35歳だけど

パッと見はまだ20代のような

若々し過ぎる美貌と

モデルのようなプロポーションと

言葉巧みな話術の持ち主で

業務成績も結構いいらしい。


母親の恩師にあたる

涼弥先生の母親とも

保険がキッカケで再会して

懐かしさに話に華が咲いて

保険契約だけじゃなく

私の家庭教師の契約まで取り付けた。


そのおかげで私も

涼弥先生に会えるし

勉強教えて貰えて

今の学校にも合格出来た。


さてと、帰宅したら

宿題しないといけない。

今日の夕飯は何を作ろうかな。


そう思いながら自宅に近づいた時


……あれ?


平日のこの時間になぜ…?

私は玄関近くに異変を感じて

思わず立ち止まった。



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