幸せの恋
その日の夜。
樋川くんとは、昼までL●NEをして
いたから。もうすぐ返信来るかな?
とか思いながら、そわそわしていた。

すると、樋川くんと樋川くんの彼女の
トプ画が変わったんだ。
お互い2人で交換して貰ったものを
トプ画にしていたのが、突然
何も関係のないものに変わったんだ。

『本当だったんだ…。』

“チロリロリン”
あ、L●NEの通知だ、

『誰だろう?』

樋川くんだった。

「本当に別れちゃった(^_^;」

本当だったんだ。
嘘じゃなかったんだ。

「悲しくないの?」

「悲しいよ!泣いたもん!」

この一言で、あたしはすごく
悲しくなっていた。

「そんだけ、好きやったのに
 別れてしまったん…?」

「うん…。もう!また涙
 出てきてしまったやん!」

え、あたし樋川くんを
泣かしちゃった…?
でもここで、諦めちゃダメ。
慰めてあげなきゃ!

「泣きたいときは、
 泣いてもいいんだよ?
 無理に強がるよりも
 絶対いいと思う。
 
 奈美まで、悲しくなって
 泣いちゃったやん!!」

そう、このとき泣いてしまった。
喜んでいいのか、ダメなのか。
本当にわからなくなった。
でも、ただ1つ悲しみの気持ちが
込み上げてきて、泣いたんだ。

「ほんま?」

樋川くんが聞いてきた。

「ほんま!なんか、ドラマみたい。
 めっちゃ悲しくなったもん!」

「奈美、優しいな!」

《奈美、優しいな!》
すっごく嬉しかった。
素直に喜べた。このときの一言が
あたしを最初に幸せにしてくれた。
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