車内恋愛。
「そう言えば、旬さんって関西出身ではないですよね?」

と気になってたことを聞いた。

「うん。やっぱりわかるよな。」

「はい。関東とか?」

「うーん、惜しい!静岡。」

「静岡だったんですか!行ったことないや…。」

静岡ってどんなところだっけ?わかんない。

「関西の大学に進学するためにこっちに出て来て、それからずっと関西。」

「地元には戻らないんですか?」

「うん。関西が好きになっちゃって。で、こっちで働こうと思った。」

私は食べながら頷く。

「関西弁は移ってないからよく教習生さんに聞かれる。どこ出身なんですか?って。」

「確かに。私もずっと気になってたんです。だけど、なかなか聞けなくて。」

「気になってたなら聞いてくれても良かったのに。未玖はずっと大阪?」

「はい!生まれたときから大阪です!」

「そっか。でも大阪弁のイメージないかも。」

「だって敬語で喋ると大阪弁出ませんもん〜。」

「あ、そうだな。じゃあ、俺に対してタメになったら出るかな?」

「おそらく。」

タメで話すなんて、今は絶対無理だけどね!
正直、”旬さん”って呼ぶだけでも緊張しちゃうもん。

「いつかは、タメで話そ。」

「…はい。」

目が合い、ドキッとする。

こんなに真正面に座って話すことなんてなかった。
今更ながら意識し始めちゃって、前が見れなくなる。

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