車内恋愛。
私が目を瞑ってすぐに、私の唇に温かいものが当たった。
それが、旬さんの唇だとわかるのに時間はかからなかった。
私にとって、ファーストキスだった。
少しして離れ、また重なる。
少し目を開けて見た、花火に照らされた旬さんの顔はすごくキレイだった。
好きな人とのキスって、こんなに幸せなんだって知った。
今の私、すごく、すごく幸せ。
「幸せ。」
思わず気持ちが言葉になってた。
「俺も。幸せ。」
私たちは花火が終わり、手をつなぎながら駅へと歩いた。
帰りも満員電車で大変だったけど、旬さんが行きのときみたいに私を守ってくれたから助かった。
もう、一緒にいて緊張するんじゃなくて、
一緒にいたらすごく安心する。
なんだか温かくて、ホッとする。
「好き」だけでは言い表せない、変な感じ。
幸せだな、って思った。